EOS-1D Mark III(1DMK3)が発表されました.(それにしても長い名前のカメラだ)
第三世代戦争の幕が開けたわけですが先手はキャノンでした.それにしてもキャノンつーのは恐ろしいメーカーですね.ただでさえ死角が少ないMarkII Nの熟成を図って来ることは予想通りだったとはいえ,個人的にはDiGiC3を2個積んで並列処理することで秒間10コマを実現しているのにはたまげました.
これまで(1DMK2N)よりも画素数が上がったうえに秒間10コマですから,画像処理エンジンの処理能力をおそらく2倍近く上げる必要があるのですが,単純に動作周波数を上げるわけではなく2チップ構成の並列処理でこれを実現しています.最初はインテルのCore2 Duoプロセッサのマルチコア化のような消費電力問題を回避するためかと思いましたが,画像処理エンジンをGHz級で動作させることはないので,どちらかというと単純にチップコストを考えてのことだと思います.要はキャノン得意のDiGiC使い回しの術です.先端のASICは微細化が進みマスクコストを含めた開発費が高騰しているのでこれまで以上にボリュームゾーンであるコンパクトデジカメからハイエンドデジタル一眼レフでDiGiC3を共通利用し数量を稼ぎ単価を下げる必要があります.さらに先端プロセスであればDiGiC2に比べチップサイズは小さくなっているはずです.チップを2個搭載したからといってもコストが単純に2倍になっているわけではなく,もしかしたらDiGiC2一個と同等のコストかもしれません.こりゃ儲かるはずだわ.くやしけどいまのキャノンハイエンド機には死角なしです.
2007年3月23日追記
今日デジタルカメラマガジンを立ち読みしたら設計者のインタビュー記事が掲載されていました.単体で比べた場合,DiGiC3はDiGiC2に比べてクロック周波数が1.2倍,バス幅が1.7倍になっているので処理能力としては2倍になっているそうです.だから,それを2個乗せているということはDiGiC21個の1DMK2Nの4倍の処理能力ということですね.おそろし.
これからニコンの逆襲が始まると思いたいところですがどうでしょうね?D3Hって本当に出すのかな.今のニコンの立場だとあまり出しても喜ばれない気もしています.D3Xをフルサイズ化して2段階くらいのクロップ機能でしのぐっていうのが現実解ではないかと個人的には思っています.
ニコンvsキャノンの攻防戦(もう決着ついたという話もある)ももちろん興味深いのですが,メーカーには関係なくこういった先端技術が我が国から出てくるっていうのはいち日本人として誇りに思います.